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UVレーザーでステンレス加工|色味の再現性を左右するフォーカスの重要性

UVレーザーを導入してから、金属や樹脂、ガラスなど、さまざまな素材に対してテストを重ねてきました。
その中でも今回は、ステンレスへのレーザー刻印についてのお話です。
ステンレスへのレーザー加工といえば、一般的にはファイバーレーザー、特にMOPAレーザーによるカラー発色がよく知られています。
MOPAレーザーでは、レーザーの条件を細かく調整することで、ステンレス表面に青、紫、金、緑など、非常に幅広い色味を表現することができます。
その発色の美しさは見事で、単なる刻印というより、金属表面に色を描いていくような印象さえあります。
では、UVレーザーではステンレスに対してどのような表現ができるのか。
導入当初から気になっていたため、出力や速度、周波数などの設定を変えながら、いろいろと試してきました。
UVレーザーでも色味に変化が出る
一般的にUVレーザーでステンレスを加工すると、茶系から薄い黒系の落ち着いた色味になることが多い印象です。
しかし、条件によっては、わずかに青っぽく見えるものや、緑がかったように見えるものも確認できました。
はっきりとしたカラー発色とまでは言えませんが、設定によって表面の見え方に違いが出ることは確かです。
そこで、色の変化と、そのときの設定値をできるだけ記録していくことにしました。
どの出力で、どの速度で、どの周波数にすると、どのような色味になるのか。
テストピースを作りながら、少しずつ条件を整理していきました。
同じ設定なのに、同じ色にならない
ところが、ここで大きな問題が出てきました。
一度よい色味が出た設定を記録しておき、後日同じ条件で再加工してみても、同じような色にならないのです。
これは以前から少し気になっていた点でした。
「同じ設定なのに、なぜ色が違うのか」
「レーザーの条件以外に、何か影響している要素があるのではないか」
そう感じながらも、最初のうちは単なる誤差や素材の違いかもしれないと思っていました。
しかし、ステンレスへの加工テストを続ける中で、この再現性の問題は避けて通れないと感じるようになりました。
特に、お客様からのご依頼で安定した仕上がりを求められる場合、「たまたま出た色」では仕事として扱いにくくなります。
そこで、あらためて原因を確認するため、同じステンレス材、同じデータ、同じレーザー設定で、条件をできるだけ揃えながら再テストを行いました。
原因はフォーカス位置のばらつき
その結果、再現性が安定しなかった大きな原因は、フォーカス位置のばらつきにあることが分かりました。
レーザー加工では、出力や速度、周波数といった数値に目が行きがちです。
もちろん、それらの設定も仕上がりに大きく影響します。
しかし、ステンレス表面で色味の変化を見ようとする場合、フォーカスの位置が想像以上に重要でした。
ほんのわずかに焦点がずれるだけで、レーザーが素材表面に与えるエネルギーの入り方が変わります。
その結果、同じ設定値で加工しているにもかかわらず、茶系に見えたり、やや青っぽく見えたり、反対に色味が弱くなったりと、仕上がりに違いが出てしまいます。
つまり、設定表に記録していた数値だけでは不十分だったということです。
出力、速度、周波数などの条件に加えて、フォーカスをどの位置に合わせたのか。
素材表面からどの程度ずれていたのか。
この部分まで管理しなければ、同じ色味を安定して再現することは難しいと分かりました。
ステンレスの表面状態も影響する
今回のテストで特に感じたのは、UVレーザーによるステンレス加工は、単純に「この設定ならこの色になる」と言い切れるものではないということです。
素材の表面状態、板厚、反射の具合、加工前の汚れや油分、そしてフォーカス位置など、複数の要素が重なって仕上がりが決まります。
特に鏡面のステンレスでは、見る角度や光の当たり方によっても色の見え方が変わります。
実際には同じ加工結果であっても、照明の下では青っぽく見えたり、別の角度では茶系に見えたりすることもあります。
そのため、写真で記録する場合にも、撮影条件をある程度揃える必要があると感じました。
UVレーザーでのステンレス加工の考え方
今回の調査によって、UVレーザーでもステンレス表面に微妙な色の違いを出せる可能性があることは確認できました。
ただし、MOPAレーザーのような安定したカラー発色を目的とするものではなく、あくまでもUVレーザー特有の表面変化として考えた方がよさそうです。
今後は、ステンレスへのUVレーザー加工について、まずフォーカス位置をできるだけ正確に合わせることを基本にし、そのうえで出力・速度・周波数などの条件を調整していきたいと思います。
また、テスト結果を記録する際にも、レーザー設定だけでなく、フォーカス位置、素材の種類、表面の状態、撮影時の照明条件なども合わせて残していく必要があると感じました。
まとめ
今回の一番の収穫は、「再現性がない」と思っていた現象の原因が、かなりの部分でフォーカスのばらつきによるものだと分かったことです。
原因が見えてくると、次に何を管理すればよいかが分かります。
UVレーザーによるステンレス加工は、まだまだ検証の余地があります。
しかし、フォーカスを正確に合わせることの重要性が分かったことで、今後のテストはより意味のあるものになりそうです。
小さな違いではありますが、こうした確認を積み重ねることで、より安定した加工、より納得できる仕上がりにつなげていきたいと思います。



