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「熱を使わない」という魔法。コールドマーキングとは?

今迄、「ガラスに刻印をしたら、周りに細かなヒビが入ってしまった」 「デザインの細部が熱で溶けて、ぼやけてしまった」など、レーザー刻印でそんな経験をしたことがありませんか。
今回ご紹介する「コールドマーキング(Cold Marking)」は、そのような問題を解決してくれる。まさに魔法のように感じられるかもしれません。
今回は、私たちの新しいブランドコンセプトである「コールドマーキング」の正体と、なぜそれがガラス製品にとって「究極の選択」なのかをお話しします。
1. 刻印の常識を覆す「光のメス」
一般的なレーザー刻印(CO2レーザーなど)は、いわば「熱で焼く」技術です。素材の表面を高温で加熱し、蒸発させることで跡をつけます。
しかし、ガラスという素材にとって「急激な熱」は天敵。
目に見えないほどの微細なクラック(ひび割れ)が発生し、強度が落ちたり、仕上がりがガサガサしたりすることがありました。
それに対し、私たちが採用しているUVレーザーによる「コールドマーキング」は、全く異なるアプローチをとります。
一言で言えば、それは「熱ではなく、光の力で分子の結合を断ち切る」技術。
素材を焼くのではなく、表面の分子をピンポイントで「バラバラにする」イメージです。
そのため、加工の瞬間に熱がほとんど発生しません。これが「コールド(冷たい)」と呼ばれる理由です。
2. なぜ「コールド」だと美しいのか?
熱が発生しないことで、これまでの刻印では不可能だった3つのメリットが生まれます。
① 驚異的なまでの高精細
熱による「溶け」や「にじみ」がないため、髪の毛よりも細いラインや、複雑なロゴ、写真のような階調表現も、ガラスの透明感を損なわずに再現できます。
② 素材にストレスを与えない
ガラスに負荷(熱ストレス)をかけないため、非常に薄いグラスや、割れやすい繊細なクリスタル製品、さらには医療用の試験管などにも安全に加工が可能です。
③ シルクのような手触り
焼いた跡のザラつきがなく、表面は驚くほど滑らか。白く霜が降りたような、上品で高級感のある仕上がり(フロスト加工のような質感)が特徴です。
3. 「名入れ」から「付加価値」へ
私たちは、この技術を単なる「名前を掘る道具」とは考えていません。
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大切なブランドロゴを、一分の狂いもなく再現する。
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繊細なガラスの美しさを、そのままアートに変える。
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素材を傷めず、永久に消えない印を刻む。
この「素材への優しさ」こそが、私たちが提供したい価値です。
これからの「コールドマーキング」にご期待ください
スタッフ数名の小さな工房ですが、私たちはこの「熱を使わない魔法」で、日本のガラス製品に新しい命を吹き込んでいきたいと考えています。
「この素材に刻印できるかな?」「デザインにこだわりたいんだけど……」 そんな疑問があれば、ぜひお気軽にご相談ください。営業マンはいませんが、技術に惚れ込んだ職人が直接お答えいたします。
次回は、「なぜUVレーザーは他のレーザーと違うのか?」という少しディープな技術の話を、分かりやすく解説します!