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AIで油絵風にした写真をキャンバスへ。白インクで筆のタッチを出す試作

キャンバスプリントをもう一度活かせないか
以前から、オリジナルグッズの一つとしてキャンバスプリントは行ってきました。
写真をキャンバス生地に印刷すると、紙やアクリルとは違ったやわらかい雰囲気が出ます。額に入れなくてもそのまま飾りやすく、記念品やプレゼントにも向いている素材です。
ただ、正直なところ、これまでキャンバスプリントの注文はあまり多くありませんでした。
素材としては良いのに、なかなか提案しきれていない。そこで、最近のAI画像加工と組み合わせて、キャンバスプリントをもう少し魅力のあるオリジナルグッズとして活かせないか、試作してみることにしました。
AIで写真を油絵風にする
最近は、写真をAIで油絵風の画像に変換することがとても簡単になってきました。
人物写真、ペットの写真、思い出の風景なども、AIを使うことで、筆で描いたような雰囲気のある画像に仕上げることができます。
実際、画面上で見るとかなり油絵らしい印象になります。
ただ、その画像をそのまま印刷するだけでは、どうしても平面的に感じる部分があります。油絵らしさは色や絵柄だけではなく、筆の跡や絵の具の厚みも大きいからです。
そこで今回は、油絵風に変換した画像をキャンバスへダイレクト印刷するだけでなく、表面に少し凹凸を加える方法を試しました。
Photoshopで筆のタッチ用データを作る
今回試した方法は、油絵風に変換した画像をそのまま印刷するのではなく、Photoshopで筆のタッチに合わせた凹凸用のデータを作るというものです。
油絵風画像の中には、筆跡のような流れや濃淡があります。その部分をもとに、白インクを重ねるためのデータを作成します。
白インクを下地や盛り上げ用として使うことで、キャンバスの表面にわずかな立体感が出ます。その上から油絵風の画像を印刷すると、光の当たり方によって筆のタッチが感じられるようになります。
今回の試作では、柴犬の写真を使いました。
まず、緑の公園にいる柴犬の写真をAIで油絵風の画像に変換します。その後、油絵風画像の筆跡や毛並み、木や葉のタッチが出ている部分をもとに、Photoshopで白インク用の凹凸データを作りました。
この凹凸データは、完成画像とは別に、筆の盛り上がりを作るための版として使います。見た目としてはグレーのレリーフ画像のようになりますが、実際には白インクをどこに乗せるかを決めるためのデータです。
そこから、油絵用キャンバスに白インクで下地の盛り上げを行い、その上に油絵風のカラー画像をダイレクト印刷しています。
実際に印刷してみた結果
実際にやってみると、これは良い結果でした。
通常のキャンバスプリントよりも、表面にかなり表情が出ます。写真を油絵風にした画像だけではなく、白インクによる盛り上げが入ることで、印刷物としての存在感が増しました。
特に、柴犬の毛並み、木の幹、背景の葉の部分は相性が良いと感じました。近くで見ると表面の凹凸があり、少し離れて見ると油絵風の画像としてまとまって見えます。
実物を斜めから見ると、白インクで作った筆跡の凹凸が光を拾い、平面の印刷だけでは出にくい質感が出ています。キャンバス生地そのものの風合いとも合っていて、写真をそのまま印刷したものとは違う仕上がりになりました。
もちろん、本物の油絵と同じ厚みになるわけではありません。ですが、オリジナルグッズとして考えると、写真プリントよりも特別感があり、キャンバス素材との相性もかなり良い仕上がりです。
オリジナルグッズとして使いやすい
この仕組みは、オリジナルグッズとしても面白い使い方ができそうです。
たとえば、ペットの写真を油絵風にしてキャンバスに印刷する。家族写真を記念品として絵画風に仕上げる。店舗や会社の記念品として、建物や商品写真をアート作品のように飾れる形にする。
普通の写真プリントとは違い、少し特別感のある仕上がりになります。
また、キャンバスはそのまま飾りやすいため、贈り物や展示用としても使いやすい素材です。
AI画像と印刷加工を組み合わせる時代へ
AIで画像を作る、または写真を加工することは、これからさらに身近になっていくと思います。
しかし、AIで作った画像を画面の中だけで終わらせるのではなく、実際の素材に印刷して、触れるものとして形にするところに、印刷加工の面白さがあります。
今回のキャンバスプリントは、AI画像と白インク印刷を組み合わせることで、従来のオリジナルグッズに新しい表現を加える試みです。
まだ白インクの盛り上げ方や、筆跡データの作り方には調整の余地があります。画像によって向き不向きもありそうです。
それでも、実際に作ってみた感触としては、十分に商品として展開できる可能性があると感じています。
キャンバスプリントを、ただの写真印刷ではなく、油絵風の質感を楽しめるオリジナルグッズとして、今後さらに活かしていきたいと思います。