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【プロの現場録】インデザイン自動化と「蓋開け印刷」で挑む、高難易度な宛名印刷

今日は、印刷屋の腕が鳴る「用紙持ち込み・宛名印刷」の2つの事例を紹介します。
一見シンプルに見える宛名印刷ですが、そこにはプロならではの判断と、泥臭い工夫が詰まっています。
1. データ結合×スクリプトで「こだわりのフォント」を完全再現
結婚式招待状の案件です。 「ハグルマ製コットン封筒」×「持ち込みフォント」×「予備極少」 という、プレッシャーのかかる条件でした。
お客様支給のエクセルデータと特殊フォントを、通常のフローで流し込むのはリスクが高いと判断。
今回は『Adobe InDesign』のデータ結合機能をベースに、自社運用の「文字溢れ処理自動化スクリプト」を組み合わせて実装しました。
手作業によるミスを排除しつつ、お客様がこだわり抜いたデザインの雰囲気を1ミリも損なうことなく再現。
リスクのある予備枚数でも、デジタルの力で安全かつ完璧に仕上げました。
参考 三栄NAVI⇒ インデザイン テキストフレームの溢れ処理を考える
2. アナログな工夫で「製袋の歪み」を攻略する
2件目は、物理的なハードルとの戦いです。
持ち込まれた洋封筒(ダイヤ貼)に、製袋上の歪み(ひし形変形)が見られました。
このまま印刷機に通せば、確実に斜行トラブルにつながります。
ロットごとに異なる歪みに対し、データ上の回転処理や、微細なレジ調整で対抗するのは非効率かつ不安定です。
そこで採用したのが、「蓋(フラップ)を開放した状態での通紙」です。
これはオンデマンド機の搬送特性を逆手に取った手法。
基準となる辺を安定させることで、製袋の歪みを吸収し、真っ直ぐ美しい印字を実現しました。
デジタルな「スクリプト処理」と、アナログな「紙の扱い」。
この両輪があるからこそ、あらゆる持ち込み案件に対応できるのです。



