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AIで作った深度マップは使える?40mmの木製キーホルダーでレリーフ彫刻を試しました
先日、UVレーザーを使って、レリーフのような深彫り加工ができないかという話をご紹介しました。
画像の濃淡に合わせてレーザーの加工量を変え、平らな素材の表面に立体感を作る方法です。
ただ、実際に試すまでは分からないこともありました。
特に気になっていたのが、AIで作成した深度マップ画像が、本当にレーザー加工用のデータとして使えるのかという点です。
今回は、比較的加工しやすいと思われる木製キーホルダーを使って、実際にテストしてみました。
元の犬の画像から深度マップを作成
今回使用したのは、正面を向いた長毛の犬のイラストです。
普通の画像には色や明暗がありますが、それだけで、どこが手前にあり、どこが奥にあるかを正確に判断することはできません。
そこでAIを使い、元画像から立体加工用の深度マップを作成しました。
深度マップとは、画像の奥行きを白から黒までの濃淡で表した画像です。
今回作成した深度マップを見ると、鼻や口元は明るく、顔の周囲や背景に向かうほど暗くなっています。耳や胸の毛にも細かな濃淡が入り、毛の重なりや前後関係が表現されています。
単純にカラー画像を白黒へ変換したものとは、まったく異なります。
AIが犬の顔の奥行きを考えてくれた
今回のテストで興味深かったのは、AIが元画像の形を見ながら、立体的な前後関係を作ってくれたことです。
鼻は顔より手前に、目の周囲は少し奥に配置されています。耳や胸の毛にも、流れに合わせて細かな高低差が付けられています。
もちろん、AIが作った深度マップが、元画像を完全に忠実に立体化しているわけではありません。顔の形や細かな毛並みには、AIによる解釈も加わっています。
それでも、一から手作業で立体用データを作ることを考えると、かなり大きな助けになります。
今回の目的は、AIが作った深度マップを実際のレーザー加工に利用できるかを確認することでした。
その点では、十分に手応えを感じられる結果となりました。

今回の深度マップ作成に使用した犬の元画像

犬の顔や毛並みの奥行きを濃淡で表した深度マップ画像(Gemini)
40mmの木製キーホルダーへ加工
今回使用した木製キーホルダーは、直径約40mmです。
その中の30数mmほどの範囲へ、犬の顔をレリーフ状に加工しました。
小さなキーホルダーですが、鼻や目、耳、胸の毛など、細かな部分までデータが入っています。表面へ一度刻印するだけではなく、濃淡に合わせて少しずつ木を削っていくため、加工には約45分かかりました。
一般的な名前やロゴの刻印と比べると、かなり長い加工時間です。
それでも、これだけ小さな範囲に立体感のある犬の表情を作れたことには、面白い可能性を感じます。
平面的な刻印とは違う仕上がり
完成品を見ると、鼻や口元が顔の中で手前に出て見えます。
耳や頬、胸の毛にも細かな高低差が付き、犬の顔が木の中から浮き出しているような仕上がりになりました。
写真やイラストを通常の方法でレーザー刻印した場合は、木の表面に濃淡や線が表現されます。
今回の加工では、それに加えて、レーザーで削る量そのものを変えています。
見る方向や光の当たり方によって陰影が変わり、指で触れても凹凸が分かります。平面的な写真刻印とは違う、レリーフに近い表現になりました。
深く彫っても、黒く焦げていない
今回の完成品でもう一つ注目したいのが、深く加工しているにもかかわらず、加工面が黒く焦げていないことです。
木材へレーザーを当てると、一般的には茶色や黒っぽい焼き色が付くイメージがあります。
実際に今回のテストでも、レーザーの作用が強くなるように設定すると、加工中に煙が出て、木の表面が黒く刻印されました。
黒い刻印が悪いわけではありません。文字やロゴをはっきり見せたい場合には、焼き色によるコントラストが効果的なこともあります。
しかし、今回目指したのは、黒い絵柄を付けることではなく、木そのものを削って立体感を作ることです。
そこでレーザーの設定を変更し、一度に強く焼くのではなく、できるだけ焦げを抑えながら加工を重ねました。
その結果、木の自然な色や質感を残しながら、凹凸を作ることができました。
設定によって仕上がりを変えられるUVレーザー
同じUVレーザーで同じ木材を加工しても、設定によって仕上がりは大きく変わります。
強く作用させれば、煙が出て黒っぽい焼き色が付きます。一方で、条件を調整すれば、焦げを抑えながら少しずつ木を削ることもできます。
これは、UVレーザーを使う面白さの一つだと感じます。
ただし、UVレーザーであれば、どのような木材でも必ず焦げないということではありません。
木の種類、硬さ、木目、表面処理、レーザーの出力や速度、加工回数などによって結果は変わります。今回も、設定を変えながら確認したことで、焦げの少ない加工条件へ近づけることができました。
素材に合わせて条件を調整することが、仕上がりを左右する重要な部分です。
初回テストとしては良い結果
実際の完成品を見た印象は、「思っていた以上に形になった」というものでした。
犬の表情も分かり、長い耳や胸の毛も細かな線として残っています。深度マップで表現されていた立体感も、木の加工結果に反映されているように見えます。
さらに、黒く焼いて絵柄を見せるのではなく、焦げを抑え、木の陰影によって犬の姿を見せられたことも今回の成果です。
一方で、まだ検証したい点もあります。
木の種類や木目によって、細かな彫刻の見え方は変わります。深く加工するほど立体感は増しますが、細い毛の表現が崩れたり、加工時間がさらに長くなったりする可能性もあります。
今回は30数mmほどの加工に約45分かかっています。実際の商品として考える場合は、仕上がりだけでなく、加工時間や価格とのバランスも検討する必要があります。
現時点では完成された加工サービスというより、可能性を確かめている段階です。
ペットの写真からレリーフグッズへ
この方法をさらに調整していけば、犬や猫の写真から深度マップを作り、立体感のある「うちの子グッズ」へ展開できるかもしれません。
例えば、次のような品物が考えられます。
- 木製キーホルダー
- 木製ペンダント
- 小型のメモリアルプレート
- 木製コースター
- 表札やネームプレート
- ペットの記念品
名前や日付、短いメッセージを一緒に刻印すれば、通常の写真印刷とは違った、木の質感を生かした記念品になりそうです。
ただし、写真から深度マップを作る場合は、顔の向きや背景、毛並みなどによって仕上がりが変わります。どのような写真でも、そのまま同じように立体化できるわけではありません。
今後は、実際のペット写真を使った深度マップについても検証してみたいと思います。
AIとUVレーザーで表現の幅が広がる
今回のテストでは、直径約40mmの木製キーホルダーに対し、30数mmほどの範囲へ約45分かけて深彫り加工を行いました。
AIによる深度マップが、実際のレーザー加工にも利用できること。そして、UVレーザーの設定を調整することで、黒い焦げを抑えながらレリーフ状に加工できることも確認できました。
まだ改善すべき部分はありますが、最初のテストとしては良い結果だったと思います。
今後は、深度マップの作り方や加工条件を見直しながら、別の木材や、石、ガラス、金属などへの応用も試してみたいと思います。
「画像を刻印する」だけでなく、「画像から立体感を作る」。
AIとUVレーザーを組み合わせることで、オリジナルグッズの表現が、もう一段広がる可能性を感じたテストとなりました。
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