レーザ加工機
2025/03/27
UVレーザーでも金属に刻印できるのか?
管理者用
前回は、ファイバーレーザとUVレーザの比較をした。どっちが良いの?
その中で、UVレーザは、金属が駄目のように、指摘されていたが、世の動画を見ていると、綺麗に刻印出来ている様に見える。
そこで、Ai に本当の所はどうなのか聞いてみた。
結論から言うと、UVレーザーでも金属に刻印することは可能です。ただし、ファイバーレーザーと同じ方法で深彫りすることは難しく、加工の仕組みや用途が異なります。
UVレーザーが金属に刻印できる理由や、その特徴について詳しく解説します。
1. UVレーザーが金属に刻印できる仕組み
UVレーザーは波長が約**355nm(紫外線領域)**と短く、エネルギーの吸収率が高いため、さまざまな素材に微細な加工を施すことができます。
金属にUVレーザーを照射すると、次のような現象が起こります。
- 表面の酸化や化学変化を利用 → カラー刻印や変色マーキングが可能
- 微細な表面改質を行う → 極めて細かい刻印ができる
- コーティングされた金属に対応しやすい → メッキ加工された金属やアルマイト処理されたアルミに刻印可能
しかし、UVレーザーは一般的に**低エネルギーの「コールドマーキング」**を得意とするため、金属の深彫りや物理的なエッチング(削り込み)には向いていません。
2. ファイバーレーザーとUVレーザーの金属刻印の違い
項目 | ファイバーレーザー(熱加工) | UVレーザー(非熱加工) |
---|---|---|
刻印の深さ | 深彫り可能(0.1mm~数mm) | 表面のみ(ナノレベル) |
刻印の方法 | 金属を直接焼き付けて酸化させる | 光の吸収を利用して微細な変化を起こす |
カラー刻印 | 一部可能(特定のパラメータ調整が必要) | 黒・白・グレーなどの変色マーキングが得意 |
エネルギーの影響 | 熱影響がある(周囲が焦げる可能性) | 低温で加工(変形なし) |
加工速度 | 比較的速い | 比較的遅い |
推奨用途 | 深彫り刻印、QRコード、工業部品マーキング | 高精細なロゴ・医療機器のマーキング |
3. UVレーザーで金属に刻印する際のポイント
UVレーザーで金属にマーキングする際、次のポイントを押さえておくと良いでしょう。
✓ 金属の表面コーティングがあると効果的
- アルマイト処理されたアルミやメッキ金属は、UVレーザーで美しくマーキングできる
- ステンレスやチタンなどの酸化被膜がある金属もカラー刻印しやすい
✓ 微細なマーキングやQRコードに適している
- 医療機器や精密部品のマーキング(ナノレベルの加工が可能)
- スマートフォン部品、時計の裏面などの細かい刻印に使用
✓ 熱による変形がないため、デリケートな金属部品に適している
- 極薄の金属板や精密電子部品に対しても変形を抑えてマーキング可能
▶ 逆に、深彫りしたい場合や、強いコントラストを出したい場合はファイバーレーザーが適している。
4. どちらを選ぶべきか?
ファイバーレーザーとUVレーザーのどちらを選ぶべきかは、以下のポイントで判断できます。
用途 | おすすめのレーザー |
---|---|
金属に深彫り刻印をしたい | ファイバーレーザー |
工業部品の識別マーキング(耐久性が必要) | ファイバーレーザー |
金属表面にカラー刻印をしたい | UVレーザー |
精密機器や医療機器の微細マーキング | UVレーザー |
金属に熱の影響を与えたくない | UVレーザー |
5. まとめ
UVレーザーでも金属にマーキングできるが、深彫りは難しい
- UVレーザーは「非熱加工」なので、熱影響を最小限に抑えたマーキングが可能。
- ファイバーレーザーは「熱加工」なので、深彫りや耐久性のある刻印が可能。
- 金属のマーキング用途によって、どちらを選ぶかが決まる。
もし、「金属の深彫り」や「強いコントラストの刻印」を求めるならファイバーレーザー、精密な微細マーキングやプラスチック・ガラスにも対応したいならUVレーザーが適している。
用途に合わせて、最適なレーザーを選びましょう!