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何でもない小石が記念品に変わる|UVレーザーで石に刻印して分かったこと

UVレーザーでは、金属、ガラス、木材、アクリルなど、さまざまな素材へ刻印できます。
その中でも、以前から気になっていた素材が「石」でした。
石にもUVレーザーで刻印できることは、動画などで見たことがあります。しかし、「石に刻印できました」というだけでは、加工事例としては少し物足りません。
石に何を刻み、どのように使えば、その素材らしさを生かせるのでしょうか。
今回は、石製コースターや身近にあった小石へ実際に刻印しながら、石へのレーザー刻印の仕上がりだけでなく、石という素材が持つ面白さについて考えてみました。
石製コースターへのUVレーザー刻印
最初に試したのは、市販されている濃いグレーの石製コースターです。
UVレーザーを照射すると、刻印部分が白っぽいグレーに変化しました。インクを載せた印刷とは異なり、石の表面そのものが変化して模様が現れます。
仕上がりは、サンドブラストをかけたような、落ち着いた質感です。
濃い色の石では、石の地色と刻印部分の明暗差が生まれるため、文字やロゴが比較的はっきり見えます。ただし、見る角度や光の当たり方によって、刻印の濃さが少し違って見えることがあります。
この見え方の変化も、均一な工業製品にはない石らしい表情だと思います。

川沿いを走っていて思い出した小石
ある日、自転車で川沿いを走っていたとき、ふと「小石にも刻印できるのではないか」と思いました。
河川敷を見ながら、刻印しやすそうな石を探してみたものの、平らでちょうどよい大きさの石は、なかなか見つかりません。
そこで思い出したのが、昔から家に置かれていた小石です。
その石はスーパーのレジ袋に入れられ、何十年も家にありました。誰が、どこから持ってきたのかも分かりません。
何かのたびに目に入り、「邪魔だから捨ててもよいのでは」と思いながら、なぜか捨てられずに残っていた石です。
帰宅して探してみると、すぐに見つかりました。
今回は、この何でもない小石へ刻印してみることにしました。

小さな石にラブラドールを刻印
最初は、小さな石にラブラドールの絵柄を刻印しました。
レーザー加工では、データの黒い部分にレーザーが照射されます。今回の石では、照射された部分が白っぽく変化しました。
そのため、通常の白黒画像をそのまま使うと、元画像とは明暗が逆に見える仕上がりになります。
写真やイラストを石に刻印するときは、石の色や刻印後の変化を確認しながら、必要に応じて画像を白黒反転させる必要があります。
単に画像データを機械へ送ればよいわけではなく、完成したときにどこが白く見えるのかを考えたデータ調整が重要です。


どうですかねー!
絵がらの黒い場所を照射し、白い部分は、そのまま残る刻印です。
結果、照射された部分は、白くなり、データの絵柄とは、逆のようになりました。

黒く艶のある石には白黒を反転して刻印
次に、先ほどよりも黒く、少し艶のある石を使用しました。
今度は、あらかじめ画像の白黒を反転してから刻印しています。
濃い石の表面に白っぽい刻印が現れたことで、最初の石よりも絵柄が分かりやすくなりました。
同じ設定、同じデータを使っても、石の色、艶、表面の細かな凹凸によって、仕上がりは変わります。
「石」と一言でまとめても、それぞれ性質が異なります。
この個体差は加工の難しさでもありますが、一つとして同じ物がないオリジナル品を作れるという点では、大きな魅力でもあります。

画像は、白黒を反転させた。

結果:良い感じです。

大きな石や人物の絵柄でも試してみました
少し大きな石には、刻印する画像も大きくして試しました。
また、犬のイラストだけでなく、女性を描いた絵柄でも刻印しています。
細かな写真をそのまま再現するというよりも、輪郭や明暗を整理した白黒のイラスト、シルエット、線画などの方が、石への刻印には向いているように感じました。
特に表面に凹凸がある石の場合、レーザーの焦点から外れる部分が出るため、細すぎる線や小さな文字は見えにくくなる可能性があります。
石への刻印では、細部の再現性だけを追うのではなく、石の形や模様と一緒に絵柄を楽しむことが大切なのかもしれません。


良い感じですが、もっと黒い石の方が生える気がします。

女性の絵柄で刻印

元の画像の白黒反転して刻印してます。
これも良い感じで出来てます。

何でもない小石が「残しておきたい物」に変わった
今回、特に印象に残ったのは、刻印技術そのものではありません。
何十年もレジ袋に入ったまま、邪魔な物のように扱われていた小石が、ラブラドールや人物の絵柄を刻むことで、少し違って見えるようになったことです。
石そのものは、刻印する前と同じです。
しかし、絵柄や名前、日付、短い言葉などが加わると、ただの石が「意味を持つ物」に変わります。
どこかへ旅行したときに見つけた石。
庭づくりの際に残しておいた石。
建物を解体したときに出てきた石材。
思い出の場所や家族、ペットに関係する石。
そのような由来を持つ石であれば、刻印する意味はさらに大きくなります。
石への刻印は、新しい商品を作るだけでなく、捨てられずに残っている物へ、新しい役割を与える加工ともいえそうです。
石への刻印から考えられるもの
石の形や大きさによって、さまざまな活用方法が考えられます。
ペットのメモリアルストーン
犬や猫などのシルエット、名前、誕生日、短いメッセージを刻印します。
庭や室内へ置く小さなメモリアルとして、石の自然な形をそのまま生かせます。
ガーデンプレートや植物のネームストーン
植物の名前、植えた日、簡単なイラストなどを刻印します。
人工的なプレートとは違い、庭の風景になじみやすいのが石の良さです。
店舗や施設の案内表示
平らな石材に、店名、部屋名、席番号、案内表示などを刻印する使い方も考えられます。
和風店舗、旅館、庭園、カフェなど、自然素材を生かした空間に向いています。
記念日や節目を残す小さな記念品
結婚記念日、開店日、創業日、家を建てた日などを刻み、デスクや玄関に飾る記念品にもできます。
石製コースターへのロゴや名入れ
比較的表面が平らな石製コースターであれば、企業ロゴ、店舗ロゴ、名前、記念日などを刻印できます。
店舗備品のほか、周年記念品や少し変わったノベルティとしても検討できそうです。
石であれば何でも同じように刻印できるわけではありません
石は天然素材であり、種類や状態によって仕上がりが異なります。
特に確認したいのは、次のような点です。
- 石の色と、刻印部分とのコントラスト
- 表面の平らさ
- 艶やコーティングの有無
- ひび、欠け、内部の状態
- 刻印したい文字や絵柄の細かさ
- 加工中に石を安定して固定できるか
- レーザーの焦点が合う範囲に収まるか
濃い色で、表面が比較的平らな石は、白っぽい刻印が見えやすい傾向があります。
一方、明るい色の石では刻印部分との明暗差が小さくなり、光の角度によって見え方が変わることがあります。
また、大きな凹凸や曲面がある石では、部分的に焦点がずれ、刻印の濃さに差が出る可能性があります。
持ち込みの石へ加工する場合は、最初から本番品へ刻印するのではなく、同じ種類の予備や目立たない場所でテストできると安心です。
天然石には個体差があるため、完全に同じ仕上がりを多数そろえる仕事よりも、一つひとつの違いを生かす記念品や小ロット品に向いています。
持ち込んだ石への刻印もご相談ください
三栄ぷりんとでは、UVレーザーを使用した石や石材への刻印についてもご相談を承ります。
ただし、石の種類、形状、大きさ、表面状態によって、加工の可否や仕上がりが変わります。
お問い合わせの際は、次の情報をご用意ください。
- 石全体が分かる写真
- 刻印予定面を正面から撮影した写真
- 石のおおよその縦・横・厚さ
- 刻印したい文字、ロゴ、イラスト
- 必要数量
- 予備品の有無
- 希望する刻印サイズ
石をお預かりしても、試験加工を行わなければ判断できない場合があります。また、天然素材のため、加工による欠けや割れの可能性を完全になくすことはできません。
大切な一点物の場合は、加工前に十分な打ち合わせが必要です。
石に刻むのは、絵柄だけではなく、その石の物語かもしれない
UVレーザーを使えば、石にも文字や絵柄を刻印できます。
しかし、今回のテストを通して感じたのは、「石にも刻印できる」という加工技術だけではありませんでした。
何でもない小石でも、名前や絵柄が加われば、見る人にとって意味のある物へ変わります。
新しい石製品へロゴを刻む。
思い出の石へ日付を刻む。
庭の石へ植物の名前を刻む。
ペットをイメージした絵柄を刻み、小さなメモリアルにする。
石は丈夫で、長い時間を残せる素材です。
だからこそ、流行の絵柄を入れるだけでなく、長く残したい名前、日付、記憶を刻むものとして考えてみると、石へのレーザー刻印には、まだいろいろな可能性がありそうです。
動画にしているので参照 ⇒ Omni1 UVレーザー 作成事例 小石編
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