CO2 vs. ファイバー:どちらを選ぶべき?
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レーザー加工機を導入する際に、「CO2レーザーとファイバーレーザーのどちらを選ぶべきか?」という疑問はよくあります。
それぞれのレーザーは特性が異なり、対応できる素材や用途も変わります。
本記事では、Ai にCO2レーザーとファイバーレーザーの違いを解説してもらいました。
どちらを選ぶべきかの判断基準の参考にしてください。
1. CO2レーザーとファイバーレーザーの基本的な違い
特性 | CO2レーザー | ファイバーレーザー |
---|---|---|
波長 | 約10.6µm | 約1.06µm |
対応素材 | 木材、アクリル、革、紙、ガラス、布 など(主に非金属) | ステンレス、アルミ、真鍮、銅、チタン、プラスチック など(主に金属) |
加工用途 | カット・彫刻・マーキング | 刻印・マーキング(カットは難しい) |
精密度 | 普通(広めのビーム) | 高精度(細いビーム) |
ランニングコスト | 高め(消耗品あり) | 低め(メンテナンス少なめ) |
価格帯 | 比較的安価(50~300万円) | 高価(100~1000万円) |
2. CO2レーザーの特徴とメリット・デメリット
CO2レーザーとは?
CO2レーザーは、二酸化炭素(CO2)ガスを使ってレーザー光を発生させる加工機です。波長が10.6µmと長いため、非金属材料に吸収されやすく、主に木材やアクリルなどのカット・彫刻に適しています。
CO2レーザーのメリット
✔ 非金属素材に幅広く対応(木材、アクリル、革、ガラス、紙など)
✔ 切断(カット)が得意で、アクリルや木材をきれいに切れる
✔ 初期投資が比較的安価(小型機なら50万円~)
✔ 比較的簡単に扱えるため、初心者でも導入しやすい
CO2レーザーのデメリット
X 金属にはほぼ対応不可(一部の塗装された金属には刻印可能)
X メンテナンスが必要(レーザー管の交換や光学ミラーの清掃など)
X 消耗品(ガス管・ミラー・レンズ)によるランニングコストがかかる
CO2レーザーが向いている用途
・ アクリルのカット(オリジナルキーホルダーや看板作成)
・ 木材の彫刻(表札やレーザーアート)
・ レザーの刻印(財布やベルトなど)
・ ガラスや陶器のマーキング(名入れ加工)
3. ファイバーレーザーの特徴とメリット・デメリット
ファイバーレーザーとは?
ファイバーレーザーは、光ファイバーを増幅器としてレーザー光を生成するタイプのレーザーです。波長が約1.06µmと短いため、金属に吸収されやすく、金属のマーキングや刻印に適しているのが特徴です。
ファイバーレーザーのメリット
✓ 金属の刻印が可能(ステンレス、アルミ、真鍮、チタンなど)
✓ 高精細なマーキングが可能(極細のレーザー光で微細なデザインを再現できる)
✓ ランニングコストが低い(消耗品がほぼ不要)
✓ メンテナンスが少ない(レーザー管の交換不要)
ファイバーレーザーのデメリット
X 非金属には不向き(木材やアクリルには加工できない)
X 切断(カット)は難しい(刻印・マーキング専用)
X 初期投資が高い(100万円以上が一般的)
ファイバーレーザーが向いている用途
・ 金属製品への名入れ(ステンレスボトルやアルミプレート)
・ 工業製品のシリアルナンバー・QRコード刻印
・ 高精細なロゴやデザインのマーキング
・ 耐久性の高い刻印が求められる製品
4. CO2レーザーとファイバーレーザーの選び方
選び方のポイント | CO2レーザーが向いている人 | ファイバーレーザーが向いている人 |
---|---|---|
加工する素材 | 木材、アクリル、革、ガラス | 金属(ステンレス、アルミ、真鍮など) |
主な用途 | カット・彫刻(非金属) | 刻印・マーキング(特に金属) |
導入コスト | 比較的安価(50万円~) | 高価(100万円~) |
ランニングコスト | 高め(レーザー管交換が必要) | 低め(消耗品ほぼなし) |
精密さ | 一般的な精度 | 極細レーザーで高精細な刻印可能 |
✓ CO2レーザーがおすすめな人
- アクリルや木材のカットがメインで、オリジナルグッズを作りたい
- 革製品やガラスに彫刻したい(名入れやデザイン加工)
- 初期投資を抑えて導入したい(小型機なら50万円~)
✓ ファイバーレーザーがおすすめな人
- 金属への高精細な刻印をしたい(ステンレス、アルミ、真鍮など)
- 工業用途でシリアルナンバーやQRコードを刻印したい
- ランニングコストを抑えて長期間運用したい
5. まとめ
CO2レーザーは主に非金属(木材・アクリル)のカット・彫刻向け、ファイバーレーザーは金属の刻印向けです。どちらのレーザーを選ぶかは、加工する素材と用途によって決まります。
- 木材・アクリルのカットや彫刻ならCO2レーザー
- 金属へのマーキングやシリアルナンバー刻印ならファイバーレーザー
もし「どちらも使いたい!」という場合は、用途別に両方導入するか、外注して対応するのが現実的な選択肢です。