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2019/05/28

文字コード、字形の問題

管理者用
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あるお客さんから、次のような質問をお受けした。

 

質問 ?

ご承知の通りWindows7がEOLを迎えるため、
・・・・・ 
諸々の環境をWindows10に移行することを検討しております。

現在、・・・・印刷物(確認書・領収書をはじめその他諸々のレター類)では
WindowのJIS90互換フォントを使用しておりますが、
Window10とJIS90互換フォントの継続利用ができなくなる問題が発生します。
これに先立ちまして、・・・・・印字文字の状況を整理したいと考えております。

私もあまりこの分野には詳しくなく、文字コードなのかフォントなのか、
・・・・具体的には、たとえば「辻」が一点しんにょうで印字されるのか、
二点しんにょうで印刷されるのか、が知りたく、それが何によってそうなっているのか
・・・・(文字コードとして○○を使いさらに、JIS○○に準拠するフォントを使っている、、など)が知りたいです。
・・・・・

ざっと、こんな内容でした。
何とか、回答はしたのですが、今日は、その中で字体に関する内容について、考えて見ました。

○○準拠なんて考えた事無い

JISの話を言われても、私自身も詳しくなく、○○に準拠なんて考えた事ありません。
・・・と思っていたのですが、改めて頭の中を整理しながら考えて見ると
Jis90とJis2004問題を思い出しました。

JIS90とJIS2004

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
まず、辻の1点、2点の表示は、その使用しているフォントの字形が、そのように作られているから!
これは、どなたでもはっきりと言えることです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

もう、古い話になりますが、字形に関する規格で、JIS90とJIS2004の問題がありました。
WinーVistaから、システムフォントのMS明朝、MSゴシックの字体が変更になると言うものです。

今までのJIS90から、JIS2004を採用すると言う話でした。
印刷業界でも随分と話題になりました。
お恥ずかしい話、この時、字形にもJIS規格が有る事を知ったような気がします。

葛 や 辻 、曾 ・・などで字形が変わっている事を見たり聞いたりしたわけです。

辻の件で言えば、新しいMS明朝フォントは、JIS2004の字形を採用し、2点の字形に変わったと言う事です。
フォント名が同じで字形が異なる、それも、WinPCのシステムフォントです。
同じ文書が、新旧PCで表示が異なる結果となったわけです。

私的に思うのは、フォントの名前を変えていただいておれば問題にならなかったと思います。

と言う事で、ご質問を頂いたお客様は、JIS90互換フォントを使用していると言う事ですから、
古い字形のフォントを使用しているわけです。

私、あまり気にしてなかったせいか、フォントの仕様で JIS○○・・準拠、と記載されているのでしょうか?
確かに、モリサワのフォントなどで、Nフォントと言うのが有りますが、この様な事なのかもしれません。

〇〇準拠で使用してますか

○○準拠のフォントを使用しているか、との問いには、あまり意識しておりませんでしたが、
弊社のフォント環境を聞かれているわけです。
フォントは、PC環境に起因する話とおもわれますので、PC環境からすると
システムの標準フォントであるMS明朝/ゴシックは使用してます。
MS系のフォントはISO2004準拠と言う事が言えます。
しかし、印刷業務の中では、多くのフォントを使っております。
その中には、古いフォントも有ります。
そう言う意味からすると、○○準拠とは、言えずバラバラとなります。

字形は、その都度対応

新旧フォントにかかわらず、実際の印刷物の中では、都度対応となります。
JIS2004の字形が一時的に話題になりましたが、字形の問題は、以前よりずーっと続いている問題です。
お客様も、良く判っていて、コメントを付けて入稿していただいている事が多く、この様な対応は、通常の事でした。
これは、現在も変わってません。
住所データが入稿され、宛名のレイアウトをする場合、一つのリストの中には、1点の辻の人もいれば、2点の辻の方のいるわけですから、新旧どっちのフォントを使っても、都度対応となります。

対応方法としては、作字をしたり、フォントを変えたりと対応して来ました。
結構大変でしたが、最近では、多く字形が登録されるようになって来ており、対応が非常に楽になって来てます。

異字体

現在のMS明朝やMSゴシックなどのフォントでは、古い字体は、異字体として外字登録されているようです。
新旧、選択して選ぶ作業となりますが、古い字体(辻の1点)でも対応が可能です。

 IMEパッドで異字体選択

この記事を書いている際にこんな異字体の選択画面が出てきましたので紹介しておきます。

インデザインで異字体選択

 

書体をMSゴシックで異字体から選択、曾には異字体登録なしと出てきました。
(曽)


新しくリリースされるフォントは、多くの字形が外字登録されているようで、異字体で使用できるようになってきた感じがしてます。

文字コードがUNICODEには、今までの異字体と言われている字形も登録されているようで、これらが使用されているような気もします。
Win PCでは、シフトJISを採用していると思っているのですが、このあたりの仕組みは、我々にはわかりません。
字形の登録数は増えて行くと言う事は良いことです。

PC環境が異なる所では、表示されなかったり、?? のように表示される場合もあります。
文字コードが扱えないと言う事で??のような表示になっていると思われます。

字形に対する問題は、今後も続いて行きます。
目視での判断となることも多く、見逃す事もあります。
事前に、把握している場合は、お客様からのご指示は必要と思われます。

Nフォント

規格が有るわけではないと思うのですが、Nフォントと呼ばれフォントが有ります。

同じフォント名ですが、名前の後ろに N がついているものがあります。
”N” がつくかつかないで字形が異なります。ISO90時代の字形ISO2004の字形を選べるわけです。

辻曾根葛飾

 

 曾は、どちらを使っても同じ字形でした。
インデザインで、異字体で選択してみました。

 

 

以上

 

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